木原線を転換し営業を開始した、いすみ鉄道。大原と上総中野を結ぶ26.8kmのいすみ線を運営している。都心部からほど近く、のどかな沿線風景が広がるローカル線として人気で、土休日には国鉄形気動車を用いた観光急行列車も運転されている。一般形・キハ52 125と急行形・キハ28 2346の2両編成は、これまで多くの鉄道ファンに懐かしい昭和の旅を届けてきた。しかし2022年11月、半世紀以上活躍を続けたキハ28 2346は人々に惜しまれながら定期運行を終了した。
　本作では引退前の10月に乗車し展望撮影を敢行。いすみ鉄道の拠点・大多喜駅を出発した列車は、まずキハ52を先頭に普通運用で上総中野をめざす。小湊鐵道と接続する上総中野に到着した後は、キハ28を先頭に普通として大多喜へ、大多喜から種別を急行に変え大原へ向かう。列車はカーブや勾配を駆け、夷隅川を何度も渡り、緑深い房総の自然をひた走る。駅や沿線には引退が近い車両を記録すべく多くの鉄道ファンが集まった。国吉では、地元の温かい歓迎を受けながら列車交換を行い、留置されているいすみ206・久留里線で活躍したキハ30 62を横目にのんびりと進む。大原到着後は、再度キハ52を先頭に急行として大多喜まで折り返す。
　映像特典は、キハ28 2346の運転席上部に小型カメラを設置し、運転士の手元を映した運転操作映像をいすみ線全線で収録。さらに、車両形式紹介、入換・回送展望、キハ28のアーカイブや定期運行終了の様子などを収録。