かつては特急『白鳥』や『いなほ』『むつ』『かもしか』などが駆け抜けた奥羽本線・秋田～青森。現在は『つがる』が3往復運転されている。車両は『スーパーはつかり』としてデビューしたE751系特急形交流電車。6両から4両に短縮され、秋田車両センター所属となった3編成が、北東北の2つの県を結ぶ。E751系はJR東日本の在来線での特急形交流電車としては唯一の形式となる。
　今回の始発は青森。北のターミナルを発車した特急『つがる2号』は津軽線と別れ、次の新青森で東北新幹線と接続。大釈迦越えののちは田園地帯を快走、川部では黒石線の合流跡と五能線の分岐を見て、弘前と大鰐温泉では弘南鉄道に接続。碇ヶ関からの山越え区間では旧線時代とは異なり、津軽湯の沢から3180mの矢立トンネルを抜け秋田県に入る。10パーミル程度の勾配は峠越えと言うほど過酷でもなく、大館では小坂線などの跡と花輪線の分岐を見て、米代川の近くをゆく区間では再び穏やかな風景が広がっている。内陸線・五能線の分岐・合流を経て東能代からは南進。追分で男鹿線の合流を受け、秋田総合車両センターの横を過ぎれば秋田新幹線に接続する秋田駅に到着する。