2022年9月、武雄温泉〜長崎で開業予定の西九州新幹線。それに伴い、博多〜長崎を結んでいた在来線特急「かもめ」は引退することになった。西九州新幹線は武雄温泉が起点であるため、九州新幹線からの乗り継ぎ連絡は新たな在来線特急「リレーかもめ」が博多〜武雄温泉を結び、特急「かもめ」の代替としては、新たに特急「かささぎ」が肥前鹿島までを担うことになった。
　今回乗車したのは885系「かもめ」、俗称「白いかもめ」として親しまれている。博多を出発した特急「かもめ」は鹿児島本線を南下。鳥栖からは進路を西へとり長崎本線に入ってゆく。新鳥栖で九州新幹線をアンダークロス、佐賀界隈はしばらく麦畑広がるのどかな沿線。唐津線が接続する久保田を通過し、間もなくすると肥前山口に停車する。肥前山口を出ると佐世保線を分け南下。肥前鹿島からは有明海に沿って走ってゆく。干満の差が日本一の有明海、この日は干潮の時刻と重なり露出した干潟が展望をより愉しませてくれる。やがて大村線と島原鉄道が接続する諫早に停車。諫早を出て、いくつかのトンネルを豪快に走り抜けると西九州新幹線開業に向け着々と工事が進む終点長崎へ到着する。