近鉄プロファイル 第1章 奈良線~京都線~橿原線
私鉄最長508.1㎞の路線距離を誇る近畿日本鉄道。撮りおろし走行映像に空撮・駅撮を交えながら、全25路線と第3種鉄道事業2路線を、主な駅・施設・車両とともに紹介する。路線の改廃などの歴史や主要沿線スポットの魅力にも触れながら、全4巻シリーズで近鉄の全貌に迫る。
第1章では近鉄の前身・大阪電気軌道からの歴史を受け継ぐ奈良線をはじめ、京都線・橿原線など9路線を紹介。
■難波線
日本万国博開催の1970年に開業した全線地下の路線。大阪を発着する奈良線系統の全列車と大阪線の特急の大部分が乗り入れる。起点の大阪難波駅は阪神なんば線との共同使用駅。
■奈良線
ダイヤの軸は近鉄奈良-三宮間で相互直通運転が行われる快速急行。1914年開通以来の路線の象徴、生駒山越えの急勾配や生駒トンネルを阪神の車両が駆け抜ける。一方で、旧生駒トンネルは創成期の息吹を今に伝える。列車は近鉄最大のジャンクション・大和西大寺駅を経て古都・奈良へ。
■生駒鋼索線
大阪電気軌道と密接な関係があった宝山寺や生駒山上遊園地へアクセスするケーブル路線。「ブル」「ミケ」「ドレミ」「スイート」など楽しい車両たちが活躍する。珍しい踏切や近鉄きっての秘境駅も。
■けいはんな線
大阪市営地下鉄と相互直通運転を行い、近鉄唯一の第3軌条集電方式を採用。けいはんな学研都市へアクセスする近鉄最新の路線で、生駒トンネル・東生駒トンネルなど長大トンネルが連続する。
■生駒線
一部単線でワンマンの普通列車のみ運転。ニュータウンの通勤路線と風光明媚なローカル線の表情をあわせ持つ。信貴山下からはかつて東信貴鋼索線が連絡。
■京都線
奈良電気鉄道が開通させた、ふたつの古都を結ぶ路線のシンボル・澱川橋梁は全長164メートル、ワンスパンのトラス橋としては日本一。近鉄丹波橋駅付近にはかつて京阪との相互直通運転に使用された連絡線跡が残る。
■橿原線
沿線に点在する文化財を縫うように伊勢志摩ライナーをはじめ特急が快走。京伊特急が経由する八木短絡線に対し、田原本線連絡線は回送列車のみが通過する。
■天理線
天理軽便鉄道が発祥の路線。名古屋発の臨時特急が平端でスイッチバックして乗入れる。京都線から直通の急行は線内各駅に停車。
■田原本線
大和鉄道から引き継がれた全線単線の路線は、奈良盆地の田園地帯や丘陵地を横断して新王寺へ。
近畿日本鉄道商品化許諾済
ナレーター 子守康範