よみがえる総天然色の列車たち第2章(9)
いよいよ引退の時を迎える特急型気動車キハ81系とDF50形ディーゼル機関車。そして大きな変貌を遂げてゆく国鉄晩年の姿。また大物車、活躍を始めたジョイフルトレインや、「1号編成」によるお召し列車などが鮮やかによみがえる。国鉄ディーゼル篇完結編。(昭和37年〜昭和60年撮影)
●キハ81系の引退とキハ82系の活躍
昭和53年10月2日のダイヤ改正でディーゼル特急「くろしお」は電車化され、ボンネット形のキハ81系は引退。代って名古屋―紀伊勝浦間に、後にキハ82系最後の定期特急となる「南紀」が登場する。
●キハ40系と「首都圏色」一般形気動車
キハ66・67形やキハ40系が登場した頃から、一般形気動車の「首都圏色」への塗色変更が進行。一方、名松線では国鉄色キハ20系が単行で走る姿も見られた。
●大物車と長物車
シキ290B形など超大型貨物専用貨車の数々や、長物車チキ3000形への、F6形貨車移動機のユーモラスな積み降ろし風景を紹介。
●マヤ34形・キヤ191系・オヤ31形
高速軌道試験車・マヤ34形、電気検測車・キヤ191系の走行と、「オイラン車」とも呼ばれる建築限界測定車・オヤ31形の検査風景。
●団体臨時列車とジョイフルトレイン
評判を呼んだスロ81・スロフ81形「お座敷列車」に続き、12系・14系・20系を改造した「白樺」「サロンエクスプレス東京」「サロンカーなにわ」「ホリデーパル」など、後に「ジョイフルトレイン」と呼ばれる数々の車両が登場した。またキャンペーン列車「ディスカバージャパン・ポンパ号」の映像も収録。
●お召し列車
繰り返しの試運転の後、露払い役の先行列車に続いて、1号御料車(ごりょうしゃ)を中心に3軸台車の供奉車(ぐぶしゃ)4両を連結したお召し列車「1号編成」が到来する。
●DF50形 紀勢本線運転最終日
昭和55年3月1日、亀山機関区所属のDF50形引退の日、最後の運用となった122列車の松阪駅での様子。
●国鉄終焉に向けて
50系客車登場から時を置かず、客車普通列車の気動車への置換えが加速する。郵便・荷物列車と車扱い貨物の廃止など、大きく変化する国鉄末期の鉄道風景。タブレットを用いた列車の交換や腕木式信号機も間もなく姿を消そうとしていた。
ナレーター : 子守康範
撮影・監修 : 奥井宗夫
監修 : 宮澤孝一 山邊誠
構成・演出 : 宮地正幸
【奥井宗夫氏 略歴】
三重県松阪市在住。昭和11(1936)年生まれ。23歳で8ミリカメラを手にして以来、鉄道車両を追って日本各地を行脚。青果業を営むかたわら、四半世紀以上にわたって撮り集めたカラーフィルムは約280本にもおよぶ。松阪レールクラブ会員。
制作:株式会社 動輪堂