よみがえる総天然色の列車たち第2章(10)
関東と長野県10社各線の懐かしき車両たちが失われた鉄道風景とともに鮮やかによみがえる。(昭和38年〜昭和57年撮影)
江ノ島鎌倉観光(江ノ島電鉄)
トロリーポール時代の昭和38年、パンタグラフは取り付けられたがまだ旧型車の天下だった昭和50年、観光路線として脚光を浴び、ブルーリボン賞受賞の1000形も活躍する昭和57年の撮影。20年間の江ノ電の変化が浮かび上がる。
箱根登山鉄道
小田原からの3線軌条区間に小田急NSEが入線。箱根湯本―強羅間はモハ1形・モハ2形・モハ3形の独壇場。
銚子電気鉄道
鶴見臨港鉄道のデハ300形や近江鉄道出身のデハ700形など昭和初期の旧型車が主役。
関東鉄道
後に鹿島鉄道に分離され、やがて廃止された鉾田線と、一貫して関東鉄道の路線として存続する竜ヶ崎線を辿る。譲渡された機械式ディーゼルカーには元国鉄キハ04形のキハ41300形や、元東横電鉄のガソリンカー・キハ1形のキハ650形などが原形のまま在籍。
筑波鉄道
関東鉄道から分離し、昭和62年に廃止となる路線で、ロッド式のDD501形が、常磐線から直通の12系による臨時列車「筑波」の先頭に立つ。
上信電鉄
凸型電機デキ1形が重連やプッシュプルで貨物列車を牽引。200形や1000形などオリジナルの電車も多数活躍する。
秩父鉄道
東武熊谷線の列車も発着する熊谷駅構内で撮影された阪和電気鉄道出身のED38形をはじめ、デキ1形など貨物列車を牽引する数々の電気機関車が登場。300系急行「秩父路」や東武8000系特急「ちちぶ」の姿も。
松本電気鉄道
上高地線は旧型車の車体更新で誕生した10形の独り舞台。
上田交通
昭和3年生まれの「丸窓電車」モハ5250型が主力として活躍中。
長野電鉄
0系「OSカー」や特急「奥志賀」「のざわ」で活躍する2000系などの看板車両や、東武出身400系やED5100形など間もなく姿を消そうとする車両たちと、湯田中駅の特殊な発車風景や旧村山橋など、独特の鉄道風景が綴られる。
ナレーター : 子守康範
撮影・監修 : 奥井宗夫
監修 : 宮澤孝一 山邊誠
構成・演出 : 宮地正幸
【奥井宗夫氏 略歴】
三重県松阪市在住。昭和11(1936)年生まれ。23歳で8ミリカメラを手にして以来、鉄道車両を追って日本各地を行脚。青果業を営むかたわら、四半世紀以上にわたって撮り集めたカラーフィルムは約280本にもおよぶ。松阪レールクラブ会員。
制作:株式会社 動輪堂