よみがえる総天然色の列車たち第2章(13)
初代ビスタカー10000系をはじめとする特急用や名古屋線の旧特急用、電気機関車などの懐かしき車両たちや、数々の旧型車が活躍する狭軌の養老線、電動車が付随車を牽引して運転されるナローゲージ路線の三重交通三重線(現・湯の山線)・内部線・八王子線・北勢線の鉄道風景が鮮やかによみがえる。(昭和37年〜昭和52年撮影)
10000系「ビスタカー」
日本初の特急用2階建車両として昭和33年に登場した近鉄の看板車両。2階建て2両を含む3連接のユニットを前後2両ずつの電動車で挟んだ7連を基本に、電動車2両をはずした5連でも運転された。
10100系「新ビスタカー」
中間に2階建て車両をはさんだ3連接車体で、名阪特急用として18編成・54両が製造された。丸みを帯びた流線形デザインの非貫通形先頭車が連結されたA編成・B編成と、貫通形のみのC編成からなる。
10400系「エースカー」・11400系「新エースカー」
「エースカー」の愛称を持つ10400系は名阪、阪伊、名伊の乙特急用車両。11400系として増備された車両は、「新エースカー」を名乗った。
名古屋線 旧型車
関西急行電鉄出身で「緑の弾丸」と呼ばれたモ6301形、運輸省規格形で急行に活躍したモ6331形、元名古屋線用特急専用車6401系・6421系・6431系などが登場。
養老線
旺盛な貨物輸送に元揖斐川電気のデ1形など電気機関車が活躍。伊勢電出身の古豪モ5131形など旧型車や、流線形のモ5800形など歴代の車両がローカル輸送に勤しんだ。
名古屋線 電気機関車
養老線車両の塩浜工場への回送や、保線用車両の輸送にデ21形とデ31形がプッシュプルで従事。
三重交通 三重線
近鉄湯の山線となる以前、762mmのナローゲージから標準軌への改軌工事中の映像。当時の終点・湯ノ山駅では電動車を列車の先頭に付け替える入換え作業が見られた。
内部線・八王子線
地上時代の近鉄四日市駅を、付随車を従えた元四日市鉄道のモニ210形が発車。八王子線西日野―伊勢八王子間は昭和49年に休止となった。
北勢線
移転以前の起点・西桑名駅は検車区を併設。モニ220形が、元三重交通4400系を電装解除した3連接車体の付随車を牽引する。
主な収録車両
10000系「ビスタカー」/10100系「新ビスタカー」/10400系「エースカー」/11400系「新エースカー」/モ6241形/クニ6481形/モ6301形/モ6311形/モ6331形/モ6251形/モ6261形/6401系/ク6561形/6421系/6431系/デ25形/デ1形/モ5011・モニ5021形/モニ5101形/ク5401形/モニ5040・モ5001形/モ5131形/モ5631形/デ31形/ク6501形/クニ6481形/モ5651形/デ61形/デ1形/モ5800形/モ5820形/デ21形/三重交通4400系/三重交通サ2000形/モ260形/モニ210形/サニ110形/サ120形/モ240形/モニ220形
ナレーター : 子守康範
撮影・監修 : 奥井宗夫
監修 : 山邊誠
構成・演出 : 宮地正幸
【奥井宗夫氏 略歴】
三重県松阪市在住。昭和11(1936)年生まれ。23歳で8ミリカメラを手にして以来、鉄道車両を追って日本各地を行脚。青果業を営むかたわら、四半世紀以上にわたって撮り集めたカラーフィルムは約280本にもおよぶ。松阪レールクラブ会員。
制作:株式会社 動輪堂