よみがえる総天然色の列車たち第3章7 私鉄篇I
関西・中国・四国の私鉄と、鹿児島市電をはじめ路面電車を中心に構成。阪急電鉄・能勢電鉄・神戸電鉄・高松琴平電気鉄道・鹿児島市電は主に同時録音付きサウンドフィルムによる撮影。(昭和47年頃~平成元年撮影)
阪急電鉄 【14分】京都線で活躍する6300系に6330形が加わり、当時十三―大宮間ノンストップの特急用車両が出揃う。2300系・2800系・5300系や、神宝線用2000系・5000系などは運行標識板を使用。宝塚線1100系は昭和60年まで梅田駅に発着した。
能勢電鉄 【6分】近代的な日生線と、妙見線との分岐点として高架化された山下駅に、阪急出身の320形や610系が吊り掛け式モーターの唸りを上げて発着する。
神戸電鉄 【8分】50‰の急勾配が連続する有馬線。様々なバリエーションを持つ1000系列の1000系・1100系・1300系や古参の300系が行き交う。北神急行電鉄の開業で、谷上駅は新たな拠点として生まれ変わった。
ポートピア'81 【2分】神戸市で昭和56年に開催された博覧会の会場内で、かつて台湾の基隆炭礦の専用線で使用されていた日本製の蒸気機関車2両が活躍。
別府鉄道 【7分】山陽電気鉄道別府駅に近い別府港駅を起点とする土山線では、日本最後のダブルルーフ2軸客車・ハフ7を連結した混合列車を、昭和59年の廃止まで運転。野口線では、1日9往復の旅客列車が運転された。
岡山の非電化私鉄
【5分】<同和鉱業片上鉄道>片上―柵原間で元国鉄キハ07形などのディーゼルカーの他、DD13形牽引による客車列車も運転された。平成3年廃止。
<岡山臨港鉄道>江若鉄道出身のディーゼルカーキハ5000形で旅客列車が運転されたが、末端区間は貨物専用となっていた。昭和59年廃止。
<水島臨海鉄道>昭和45年に倉敷市交通局から移管され、貨物輸送の傍ら、国鉄キハ04形と同形のキハ310形による旅客輸送を行っていた。
高松琴平電気鉄道
【9分】志度線では、元近鉄南大阪線モ5621形の20形や、元京浜急行電鉄のデハ230形の30形が活躍。
長尾線では後の国鉄仙石線・元宮城電気鉄道クハ301形の60形の姿を捉える。当初から近代的な路線として建設された琴平線では、元京急600形・1000形の1070形・1080形など、18m級の車両が入線。かつて「こんぴら2号」として急行にも運用された自社車両1010形も見られた。
Intermission 【4分】西日本鉄道・大分交通・鹿児島交通・岡山電気軌道・広島電鉄・土佐電気鉄道・伊予鉄道・長崎電気軌道。
鹿児島市電 【10分】平成元年、クリームに朱色帯となり、冷房改造も進行。大阪市電移籍車両からの改造と新造車が存在した2連接車700形は、朝ラッシュ時1往復のみの運用となっていた。同様に大阪市電から移籍した800形は、昭和60年の上町線・伊敷線の廃止で半数が引退したが、残りは冷房車に改造。市役所前停留所から、上町線の線路を転用した引上げ線で折り返す姿が見られた。
■撮影当時の機材により、同録音声のない映像も含まれます。
ナレーター:羽川英樹
撮影・監修:奥井宗夫
監修:山邊誠
構成・演出:宮地正幸
【奥井宗夫氏 略歴】
三重県松阪市在住。昭和11(1936)年生まれ。23歳で8ミリカメラを手にして以来、青果業を営むかたわら、鉄道車両を追って日本各地を行脚。四半世紀以上にわたってカラーフィルムで列車を撮影し続けた。松阪レールクラブ会員。
制作:株式会社 動輪堂