よみがえる総天然色の列車たち第2章(12)
近畿・中国・四国・九州各地14社の懐かしき車両たちが、失われた鉄道風景とともに鮮やかによみがえる。(昭和45年~昭和53年撮影)
京福電気鉄道
分社化以前の叡山本線と鞍馬線を収録。トロリーポールから集電を行った日本最後の路線で、元田中では京都市電との平面交差も。
野上電気鉄道
阪急の前身・箕面有馬電気軌道開業と同時に1形として登場した、明治43年製のモハ20形23号は、平成6年の廃止まで活躍。
水間鉄道
ナニワ工機製マルーン車体のモハ250形や元南海モハ1251形などが登場。
別府鉄道
国鉄高砂線と接続する野口線と、日本最後のダブルルーフ・オープンデッキの2軸単車となった、ハフ7連結の混合列車が走る土山線。ともに昭和59年に姿を消した。
井笠鉄道
昭和46年廃止のナローゲージ路線。ホジ1形などのディーゼルカーが2軸単車を牽引して運行した。
下津井電鉄
中国・四国・九州最後のナローゲージ路線のうち、昭和47年に廃止された茶屋町―児島間の映像を収録。
高松琴平電気鉄道
元名鉄3700系などが発着する主要駅・瓦町を経て長尾線へ。主力は「喫茶店のドア」元阪神881形。
土佐電気鉄道
昭和49年に廃止された唯一の鉄道線・安芸線。阪神出身の高床車・モハ5000形と、軌道線から直通する低床車・600形が、高低2段のプラーットホームを使い分ける。
伊予鉄道
「坊っちゃん」に登場した「マッチ箱の汽車」のモデルで、2か所で軌道線と平面交差する高浜線をはじめ、城北線・横河原線・郡中線の鉄道線全路線が登場。
広島電鉄
唯一の鉄道線である宮島線には元阪急500形の1070形など専用車両が活躍。市内線直通は2000形単行や2500形連接車で運転。
一畑電気鉄道
近年、映画にも登場したデハニ50形や、その改造車デハ20形など手動扉車のほか、元西武200形の60系による特急の姿も。
筑豊電気鉄道
全列車が、直通運転を行う西鉄北九州線の車両で運転。
島原鉄道
国鉄乗入れにも使用されるキハ55形・キハ26形が主力。今はなき加津佐駅を出発した急行が、諫早駅で「出島」に併結され博多まで直通する。
鹿児島交通
戦前の国鉄キハ07形がモデルのキハ100形は、昭和27年に時代遅れの流線形スタイルで登場。昭和58年の廃止まで枕崎線ひとすじに働き続けた。
ナレーター : 子守康範
撮影・監修 : 奥井宗夫
監修 : 宮澤孝一 山邊誠
構成・演出 : 宮地正幸
【奥井宗夫氏 略歴】
三重県松阪市在住。昭和11(1936)年生まれ。23歳で8ミリカメラを手にして以来、鉄道車両を追って日本各地を行脚。青果業を営むかたわら、四半世紀以上にわたって撮り集めたカラーフィルムは約280本にもおよぶ。松阪レールクラブ会員。
制作:株式会社 動輪堂